Blog 2019/8/31

機械式時計の大敵

近頃、お客様の時計の修理をお預かりする際、『最近、時間が進むんだよな?』とか『最近、時間が遅れるんだよな?』『気が付いたら、止まっていたんだよ』などの内容の修理が多くなっている気がします。

もちろん、購入してから3年から5年位たっているなら、油の劣化による時間の遅れ、進みは多少あったとしても、購入してからすぐだったり、オーバーホールをしてすぐだったり、昨日までは動いていたりすると『なんで?』と思ってしまいますよね。

機械的な不具合が原因の時もありますが、最近では、修理に出した際『磁気帯び』と原因欄に記入される事が多くなってきています。

では、この『磁気帯び』とは、いったい何なのかを説明したいと思います。

現在、私達が生活している環境は磁界に取り囲まれています。

もっとも身近にある磁気を発生させる磁気製品と言えば、携帯電話、そしてパソコンがあります。
その他には、携帯オーディオ、テレビ、スピーカー、ハンドバックの留め金の磁石、冷蔵庫、キャビネットなどのドアの磁石、洗濯機、乾燥機、ハンドミキサー、電気シェーバー、ドライヤー、磁気健康用品など、本当に多くの磁気製品に囲まれて生活をしています。

もし機械式時計が磁気帯びしたら、どうしたらいいのでしょうか?

ムーブメントの内部の部品は小さな金属で出来ています、強い磁気を浴びると小さな部品が磁化してしまいます。

機械式時計の内部にはゼンマイの解ける速度を制御する「テンプ」という部品があります。

テンプとは、左右均等に動く振り子のような役目をしており、その中にあるヒゲゼンマイと言うパーツに一旦磁気が入ってしまうと遅れ、進み、最悪の場合は止まってしまう事があります。

一旦ヒゲゼンマイに磁気が入ってしまうと、磁気から遠ざけてもその影響が残り、正常な状態にもどすためには磁気を抜く作業が必要となります。

微弱の磁気の場合は、当店に脱磁気の機械を設置しておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。

磁気を帯びているかを自分でも簡単にチェック出来る方法がありますのでご紹介致します。

方位計を使って磁気帯びをしているかを調べることが出来るのです。
まずは平らな所に方位計を置きます。
方位計の針が止まったら、時計を方位計に触れないように注意しながら出来る限り方位計に近づけます。

この時、方位計の針は僅かに触れますが、大きく振れるようであれば磁気を帯びている可能性があると思っていいと思います。
では、どうすれば自分の腕時計が磁気帯びをするのを防ぐことが出来るのでしょうか。

その答えは、磁気を発生する物に時計を近づけない事が一番です。

では、どのぐらい近づけなければ良いのでしょうか?
一般的には、5cm以上離せば一般の腕時計でも耐えられる1,600A/m以下になると言われています。

スマートフォンやパソコンやその他の磁気製品から腕時計を5cm以上離すと言う事を気にかけて頂くと、ほとんどの磁気の影響を回避する事が出来るのです。

それから、もう1つ気を付けていただきたい事があります。
それは腕時計の保管場所です。

携帯電話と一緒に置いたり、パソコンやオーディオ、テレビの近くに腕時計を日常的に置いている方は、すぐにでも腕時計の保管場所を変えてください。
しかし、仕事から疲れて帰って来た時や飲み会で酔っ払って帰ってきた時に、たまたま一緒に置いてしまったとかで、磁気帯びをさせてしまうことがあります。

是非気を付けてください!
以上の事に気を付けて頂ければ腕時計の『磁気帯び』の症状は少なくとも回避する事が出来るとおもいます。

 

【オロジオがお勧めする耐磁時計】

【IWC  パイロット ウォッチ マークXVIII】
品番・・・327009
ムーブメント・・・35111キャリバー(自動巻)
ケースサイズ・・・40mm
素材・・・ステンレススティール
振動数・・・28,800振動
パワーリザーブ・・・42時間
部品数・・・163個
防水性・・・60m防水
ストラップ・・・サントーニ社製ブラックのカーフスキンストラップ
特徴・・・耐磁性に関しては、耐磁性軟鉄製インナーケースを採用
価格・・・¥550,800(税込)

腕時計の保管場所でお悩みの方は、腕時計専用のBOXに保管する事をお勧めいたします。
オロジオではオロジオオリジナルの時計BOX(8本収納可能)を取り扱っております。
BOX全体がカーボンの仕上げを施し、施錠も出来る仕様となっております。

 

サイズ・・・横315mm×縦195mm×高さ95mm
価格・・・¥17,280(税込)

詳しくはスタッフまでお尋ねください。

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