Blog 2025/9/26

時計店スタッフの妄想ブログ vol.3『パネライの新作PAM1574を購入した後、妻を説得してみた』

〜 ご挨拶 〜

 

いつもオロジオのブログをご覧いただきまして、誠にありがとうございます!

宮﨑でございます。

この妄想ブログも3回目となりました。

そして、意外にも良い反応をいただいているみたいです、この妄想シリーズ

今回は、あらゆる言葉を尽くして、妄想内で妻を説得します。

パネライの新作『PAM1574』を一目惚れで購入しちゃった後、私はどんなふうに
その難問と向き合うのか!

是非、皆様も今後のご参考にどうぞ!

 

〜 開幕 〜

 

「ただいま」

「お帰りなさい」


(※写真はイメージです)

私がリビングに入ると台所からこちらを振り向いた妻は、サッと私の左手首に視線を止めた。

「あれ、そんな時計だったっけ?」

きっと、彼女はすぐに気づく。そんなのは想定済みだった。

「ん?なにが?」

ここはあえてトボけた声色で反応を見る。初手で取り乱す必要はない。

「なにがって、その腕時計。朝していったのと違うよね?」

……ああ違う。確かに朝、私が左手首にはめていた時計はこれじゃない。

なぜなら妻よ。これは今日の昼間、私が君に相談もなしに衝動買いをした

『ルミノール GMT パワーリザーブセラミカ PAM1574』

なのだから。

「そんな黒い時計じゃなかったよね?」

止まない妻の問い掛けに、私はひとつ呼吸を置いてゆっくりと応じた。

「うん。でもこれは、ただ黒いんじゃないんだ」

私はカバンを床に下ろし、時計を装着した左手首を妻の目の前に掲げた。

「このケースはね、ブラックセラミックを素材に使っているんだ。見てごらん、
ただ黒いんじゃない。質感に温かみがあるだろう?」

「え?」

私のまさかのカウンターに、妻は面食らったような表情で時計に視点を定めた。

「パネライがセラミックを素材として初めて導入したのは、2007年のことなんだな」

「…へえ」

「それ以来、セラミックはパネライのハイテク素材の要になっている」

「……」

ここは押す!このまま押せる!

「そして何より!この文字盤の真ん中から伸びるこの針。先端が矢印のマークをしてるこの針」

私は妻に文字盤の全面が見えるよう、腕の角度を変えた。

「うんと、この白い矢印みたいな針?」

「そう!これをGMT針と呼ぶ。この針はね、なんと第2時間帯を示す針なんだよ」

「第2時間帯?」

私は、妻の顔に一瞬『興味の色』が浮かんだのを見逃さなかった。

いや、見逃してはならなかった。

「分かりやすく言おう!つまりこうだ。このパネライ1本で、2つの地域の時刻を同時に知ることができる

「じゃあ、もしあなたがどこか外国に行ったら、その国でも日本がいま何時か分かるの?」

「……ああ、もちろんさ。このGMT針がそっと教えてくれるんだ」

ここで声高に振る舞ってはいけない。落ち着いて、形勢はこちらに傾きつつある。

「僕は常に、君と子供がいま日本でどういう時間帯を過ごしているのか、それを把握することができる」

どうだ!

「あなた、外国に行く予定があるの?」

ぐうッッ!

「……」

一気に形勢が向こうに傾く!しかし落ち着け!落ち着くんだ!

「いまは……ない」

表情を崩さぬように、息使いを乱さぬように。

「けれどね、これは心構えの問題なんだ。そうだろう?」

「そうなの?」

「……」

路線変更。

「そうだ、ここを見てごらん」

「どこ?」

私はケースの右側面にある、例のアレを指差した。

「これは、このルミノールコレクションの象徴と言っても良い。リューズプロテクターっていうんだ」

妻は特徴的なカーブを描くそのリューズプロテクターを、遠慮がちに指先で撫でた。

「パネライは軍用時計にルーツを持つからね。この構造でもって、強固で独自の
レバーロック式リューズを生み出したんだ」

私は妻の目の前で、小さなレバーを開閉してみせた。

「このモデルのこだわりが見えるのもまさにココ!リューズプロテクター全体はツヤ消し加工なのに、
リューズとロックレバーの一部に、ツヤを出すポリッシュ加工が施してあるだろう?」

「うん」

「これは、細部から個性と特別感を演出する、パネライ一流の仕掛けだと思う」

プレゼンは、いよいよ熱を帯び始めた。

「そして、パネライといえばこのサンドイッチ文字盤だね!」

「なに?サンドイッチ?」

「文字盤が二重になってるのが分かるかい?」

「変わったデザイン」

「これはね、暗い場所での視認性を高める為の構造なんだ。デザインの為に二重にしたんじゃない。あくまで実用を見据えた結果の美しさ、つまり機能美だ」

「ほお」

「そして、深いネイビーカラーの文字盤に施されたサンレイ加工。この太陽の光のような
放射状の輝き
が美しいだろう?」

「うん、キレイだね」

「そして、パワーリザーブインジケーターに着目してくれ」

「なにそれ?」

「文字盤中央の右下、5時の位置にメーターがあるだろう?」

「これはなにを計るの?」

「これはなにかを計る為のメーターじゃないんだ。これは、時計があと何時間動くかを
教えてくれるメーターなんだ」

「あ!なるほど。じゃあ、36とか72って、あとこれぐらい動くよっていう数字?」

「さすが!いつも冴えてるね!」

妻は満更でもない表情を浮かべた。

「そうだ。この時計、裏返してみると良い」

私に言われるがまま時計を裏返した妻は、目を丸くした。

「え、これ大丈夫!?中身が見えてるけど、蓋は!?」

「大丈夫、これはこういう造りで、シースルーバックと呼ぶんだ。中身の機械を目で見て愉しめるんだよ」

「へえ!細かいところまでこだわりのある時計だ!」

「そうさ!そしてもう一度言うぞ。僕は君と子供が過ごしている時間帯をいつでも
この時計で確認することができる。例え、海の向こうにいてもね」

妻の顔は、目の前の『PAM1574』に惚れ惚れするように、明るい色に満ち満ちていた。

勝った!無謀にも思われたこの一戦、私はそのリングを勝者として降りるのだ!

ありがとう!ありがとうッッ!

「良い時計みたいだから大事にね。ところで、時計代の支払いは?

「ああ」

投げかけられることが当然予想できたその質問に対して、私は万全の手を打っていた

「そこは大丈夫!60回無金利でバッチリカバーしてるから!」

ゆっくりと微笑みながら頷く妻。寝室からはちょうど子供が夕寝から起きる物音が聞こえてきた。

「さあ、晩御飯にしよう」

嗚呼、今夜のビールは最高に美味いだろうなぁ。

新たな家族の一員として『PAM1574』を迎えることができた今日に乾杯だ!!

 

〜 お結び 〜

 

ということで、妻には無事『ルミノール GMT パワーリザーブセラミカ PAM1574』

の衝動買いを認めてもらうことができました。ありがとうございます!

ええ、もちろん今回はかなりスムーズに説得できた例。

しかし!妄想ブログの真骨頂ここにあり。

このコーナーにつきましては、私の妄想こそが最優先されます(笑)

きっと今回のブログで書いた世界線の私は、優しく朗らかな空気に包まれて、
晩酌を楽しんだことでしょう。PAM1574を左手首に巻いて。

それにしても、現実世界でも本当にPAM1574を衝動買いして帰りたいなぁ。。。

《私はいつだって、君の左腕を歓迎するよ》

ガラス什器の向こうから、PAM1574の声が聞こえたような気がしました。

それでは今回は以上です!また次回ッ!

 

詳しくはコチラ→ルミノール GMT パワーリザーブ セラミカ

 

Oro-Gio 宮﨑

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