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流⾏は⾃分でつくるもの-副島雅⼠ / Luminary-

FASHION|2017.3.24 Photography:Satoru Hirayama
Text:Satomi Nishimura

「⼈が好き」という、シンプルな思いのもとに

今泉の路地に⾯する「Luminary」は、セレクトショップという⾔葉でくくられるのは似合わない。

店内にあるものすべてのバイイングを⾃ら⾏うのは、代表の副島雅⼠さん。⽇本にないものに誰よりも早く着眼し、2000年より提案しつづける。「流⾏は追うものでなく、⾃分でつくるものでしょ」。ファッションに携わる⼈なら⼀度は⼝にしてみたいであろうこんな⾔葉が、さらりと出てくるほどの⾃負がある。

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学⽣時代から海外に暮らし、バイヤーとしてのキャリアをスタートさせていた副島さん。世界中を駆け回る⽇々に⼀区切りをつけ、わざわざショップを構えるに⾄ったのなぜだろうか。

聞けば「僕、結局、⼈が好きなんです」。バイヤーとして活動するうちに、単によいモノやおしゃれな服を発掘するのもいいが、そこから⼀歩踏み込んで「⼀⼈ひとりに合うモノ」「その⼈が幸せになれるようなモノ」を届けたいと考えるようになった。⼀⽣かけてやりたいことが明確になった瞬間だ。

だから、ショップの名前は、英語で発光体という意味を持つ「Luminary」。このショップを訪れる、⼀⼈ひとりを輝かせたい。そして、ここで出会う服を⾝にまとった⼈が、みんなにとっての「Luminary(=他者に刺激を与える⼈)」になってくれたらと考えている。

らしさが凝縮された、オリジナルブランド〈LUX〉

「流⾏は⾃分でつくる」「⼈が好き」。副島さんのふたつの思いを重ねたのが、オリジナルブランドの〈LUX〉だ。
中でもナイロンスーツは、今のようにこぞってハイブランドが発表し、トレンドとなる何年も前から、ここ「Luminary」の定番だった。「僕が最初に始めたようなものですよ」。いつも5年、10年先を⾒つめている副島さんもにんまり。

〈LUX〉のナイロンスーツはフルオーダー。このシステムは「⼈が好き」の⽅に由来する。
「⾼価なハイブランドのスーツを購⼊しても、⽇本⼈の体型に合わないからお直しをすることになる。それならば最初からフルオーダーでつくった⽅がいいでしょう」という考えに基づく。

そしてつくるサイズはいつもジャスト。⻑く着たいから、今の体型を維持しておこうという気にもなる。それが着る⼈の健康維持につながるという、思わぬ利点もある。

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この⽇の副島さんも〈LUX〉オーダースーツ(90,000yen+tax〜)を着⽤。ナイロンなのに驚くほどストレッチが聞いている。この⽣地こそがこのスーツの魅⼒を際⽴たせる要素。いかにもスタイリッシュできちんとしたスーツに⾒えながら、実は、リラックスウエアのような着⼼地なのだ。例えば、⾶⾏機で⻑時間移動する時もゆっくりくつろげるし、シワにもならない。⽬的地に到着したらすぐ会議、という場⾯にも対応できる装いである。

〈LUX〉のスーツは、デザインのよさだけでなく、⼼地よさ、便利さ、そして何よりこのスーツを着る楽しさを、⼀⼈ひとりの⼈⽣に届けてくれる。もう、このスーツしか着たくないと、ほかのスーツを全て処分した⼈もいるそうだ。「〈LUX〉のスーツの価値を理解してくだり、選んでいらっしゃる⽅って、ほんとうに知性的だと思いますよ」と副島さん。もちろん縫製技術などもぬかりないので、ショップでぜひ実物に袖をとおして、その着⼼地に驚いていただきたい。

〈LUX〉にはシャツ(28,000yen+tax〜)もあり、こちらもすべてオーダーメイド。感動的に処理されたシームも必⾒だ。

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年4回の買い付けで⽇本にないものを提案する

副島さんは、年4回、各約2週間というペースで買い付けに出かけている。これから紹介するアイテムは、購⼊後さっそく⾝につけていたら、現地のセレクトショップのスタッフにうらやましがられた、なんて逸話を持つアイテムばかり。数に限りがあるので、売り切れていた場合はあしからず。

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今年、気になっているのはムラーノガラス(イタリア・ヴェネチアのガラス)のリング。ジェンダーレスなアイテムなので、パートナーと共有する⼈も多いとか。価格は3,000円台からとお⼿頃なので、複数購⼊しても。

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〈Moncler〉のTシャツ(28,000yen+tax)。個性的な刺繍でフランスの国旗が表現されている。意外とタフな質感だ。

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〈NEW BALANCE〉スニーカー(24,000yen+tax)。こちらも⽇本未発売。

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〈CONVERSE〉スニーカー(16,000yen+tax)。⽇本未発売。リアルレザーにコーティングがほどこされている。

最近は、奥様とお⼦さんと3⼈で、買い付けの旅にでることも多いという副島さん。もちろんバイイングのための旅なのだが、おいしいものを⾷べ、海外の空気を吸い、インスピレーションを働かせることも⼤事な⽬的。そこから次につくるべき流⾏の⾹りも、嗅ぎ取っている。

看板⽝も仲間⼊り。ますます世界観が⾼まる

⼈々を牽引するトレンドやファッションだけでなく、副島さんの願い、考え⽅、愛情など、すべてが詰まったショップ「Luminary」。訪れる⼈たちからも、洋服を選ぶショップというより、いろんな会話を楽しんだり、情報交換をしたり、おもしろいことの基点になる場所として認識されている。客が友⼈になり、いつしか家族連れでキャンプに⾏くようになったり。そんな交流もあるようだ。

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その「Luminary」の新しい仲間といえば、シュナウザーのLUCE(ルーチェ)君。副島さんが好きな国・イタリアの⾔葉で、光という意味。まだまだ遊びたいさかりの元気な⼦。

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店内はメンズ・アイテムが主流だが、時にはレディスやキッズ、そしてインテリアも。ライフスタイルを丸ごと提案できる。

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今泉の路地にある「Luinary」。外から眺めるとデザインオフィスのような⾵貌で、ショップに⾒えないなんて⾔われることもあるそうだが、それもまた訪れたくなる気持ちが⾼まる要素。⼀歩⾜を踏み⼊れれば、副島さんの宝物のような世界観が広がっている。

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information

Luminary ルミナリー 副島雅⼠
Luminary ルミナリー
住所:福岡市中央区今泉1-5-15 101
電話:092-716-6446
営業時間:12:00〜20:00
店休日:⽉曜定休

Luminary ルミナリー
https://www.facebook.com/Luminaryfukuoka/
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