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BREITLING DAY

WATCH|2019.2.4 Photography:Kazuhiro Kaku
Text:Satomi Nishimura

例年よりも随分と暖かな日が多かったためだろうか。街路樹の紅葉が長く続いていた、2018年晩秋の福岡で、11月24日(土)・25日(日)の2日間にわたり「BREITLING DAY」が開催された。

会場である〈BREITLING〉のコンセプトショップ「ブライトリング ブティック 福岡」には、数多くのブライトリングファンが集い、世に出たばかりの最新モデルや特別な限定モデル、そしておなじみのレギュラーモデルをその目で確かめに来場。店内は、年末に向かう高揚感も相まって、心浮き立つような熱気に包まれた。そして2Fの特設フロアには、このタイミングでしかお目にかかれない年代物のウォッチも並んだ。

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シックにくすんだ、まさにアンティークな色合いの時計たちは、右から1940年代のプレミエ、1940年代のクロノマット、そして1960年代のダトラ。その姿は、「プロフェッショナルのための計器」という、〈BREITLING〉の変わらないフィロソフィを放っていた。

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同じく2F には、〈BREITLING〉の技術者に直接相談ができる時計診断ブースを設置。
〈BREITLING〉ユーザーと技術者が直接顔を合わせるまたとない機会である。時計の状態をチェックしてもらいながら、オーバーホールの相談にも熱が入る。

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そして今回、2Fの特設フロアで行われた、スペシャルかつ初の試みが「ポケットウォッチの分解・組み立て体験」。しかも講師は、東京の「STUDIO BREITLING」の技術トレーナーである林 繁さんだ。

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技術トレーナーという林さんの役職は、「STUDIO BREITLING」でメンテナンスを担当する技術者たちの、指導を行う立場にあたる。今、〈BREITLING〉の技術者は世界で約500名存在するが、そのうち技術トレーナーはわずか12名しかいない。つまり林さんは世界規模で考えても、かなり“レア”な存在なのだ。

そんな林さんから直接、時計の分解・組み立てを教えてもらえるとは、なんたる至福か。さらにその時間をわずか5名の参加者のみなさんで、独占できるというから贅沢すぎる。

参加者のみなさんは、機械時計の世界を熟知しているオロジオ的な大人たち。みなさん〈BREITLING〉のロゴ入り白衣に袖を通しながら、ワクワクするような期待感と少しの緊張が入り混じった、例えて言うなら初めての国に旅立つような、素敵な表情をされていたのが印象的だった。

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今回、分解・組み立てを体験したのは、ポケットウォッチのムーブメント。〈BREITLING〉のものは、初心者にとってサイズが小さすぎるためだ。

しかし技術トレーナーの林さん曰く「ムーブメントのサイズ以外は、日頃、私が技術者に行っているトレーニングと全くもって同じです」。林さんの手元をリアルタイムで画面に中継し、一段階ずつレクチャーするのもいつも通りだし、完成度のチェックも“体験”だからといって甘くするようなことはあえてしないという。ひとつ違うのは技術修了のテストがあるか、ないかという点のみ。

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こちらが参加者のみなさんによって分解・組み立てされたポケットウォッチのムーブメント。腕時計のそれより大きいと言っても、このサイズ。中にはゼンマイや歯車が複雑に組み合わさっている。作業を眺めているだけでも飽きることはない。

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そして取材中、通常のレクチャーとの大きな違いを、もうひとつ発見。それは参加者のみなさんに配られたシャンパングラス。美しい泡で喉をうるおしながらムーブメントをいじるのなんて、大人の遊びの極みだろう。

ポケットウォッチの「分解・組み立て体験」は、まず、ゼンマイをほどくところからスタート。参加者のみなさんは横一列に並び、慎重かつ確実に細かい作業をこなしていく。

「次は『テンプ』を外しましょう。その中央にある『ヒゲゼンマイ』は髪の毛よりも細いのに、この部分で時計の精度が決まるんですよ」と林さん。みなさんの眼は一点集中。息を止めるようにしてピンセットを動かす。

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数々の細かな工程による分解を終えたら、次は組み立てが待っている。小さな歯車やネジをきちんと掴むことさえ難易度が伴う状況。静かであるのに集中力みなぎる時間が過ぎていった。

最後に「テンプ」を正しい位置にピタリと収めたら、ポケットウォッチが動き出した。時計に命が吹き込まれる瞬間。参加者のみなさんも思わず笑顔になり、時計技術者だけが味わえる喜びを、体感していただけた。

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みなさんは「子どもの頃から機械が好きだったので、想像以上に楽しかった」「時計の分解・組み立てをコンプリートしたことを、明日から自慢したい(笑)」「林さんが優しく導いてくれたから、どうにか組み立てられました」などの声を聞かせてくれた。

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体験終了後のおしゃべりでは、「今日は優秀な生徒さんばかりでした。あれこれと手を貸すことになるだろうと想定していましたが、ヘルプすべき状況は、ほぼありませんでしたね」と林さんも驚き、嬉しいご様子。参加者のみなさんも頬をゆるめ、細かい作業を終えたリラックスと満足感を存分に味わってくださっていた。

◎ブライトリングの技術者についての過去記事もぜひご覧ください。
https://oro-gio.co.jp/style/watch-breitling

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information

ブライトリング・ジャパン株式会社 林 繁
ブライトリング・ジャパン株式会社 林 繁
1998年⼊社。東京・銀座の「STUDIO BREITLING」にて、時計技術部マネージャーを務める。世界に12⼈のみ存在する、技術者のための指導者・技術トレーナーとして活躍中。⾃⾝もメンテナンスに取り組みながら、技術者のトレーニングにも注⼒する。
また、ブライトリング・ジャパンとスイスのBREITLING社を、技術⾯からつなぐ役割も果たす。スイスの⼯場を訪問した際は、その技術やトラブル対処法をくまなくチェックし持ち帰るため、スイス⼈技術者からは「Mr.Hayashiはまるで⽇本から来たスパイだ!」とその緻密さを評されることもあるとか。
ブライトリング・ジャパンに⼊社したきっかけは、学⽣時代、ブライトリングのオールドナビタイマーを雑誌上で発⾒し「この時計をつくる会社で働きたい!」と決意したから。そのタイミングを⾒事に掴み、スイスでの⻑期間研修などを経て、現在に⾄る。

ブライトリング・ジャパン ホームページ
http://www.breitling.co.jp
ラインナップはこちらでチェック。独⾃性あふれるブライトニングの世界観を堪能あれ。
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