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Louis Poulsen 「PHシリーズ」-デンマーク-

LIFESTYLE|2015.2.28 Narrator:Masayuki Nakamura(NEST Shop Manager)
Photography:Satoru Hirayama
Text:Satomi Nishimura

好奇心をくすぐられる「PHシリーズ」のデザイン

子どもたちはLEGOで遊び、ママはRoyal Copenhagenのカップでティーブレイク。そしてパパはArne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)のチェアで新聞を読んでいる……。

そのように、デザイン性に優れたものに囲まれ、ごく一般的な人々が知的で美しいライフスタイルを実践しているデンマーク。この国では、インテリア、食器、玩具とさまざまな分野において “ロングライフデザイン”が誕生しています。その中でも今回は「照明」について、お話をさせていただきたいと思います。

デンマークを代表する照明といえば、やはりLouis Poulsen(ルイス ポールセン)でしょう。

私が、ショップ・マネージャーを務める「NEST/ネスト」の窓辺にも、Louis Poulsenを代表する「PHシリーズ」の照明器具が並んでいます。ぽつりとひとつ、そこに出現するだけで、空間に豊かな表情とリズムをつけてくれる。そんな存在感が「PHシリーズ」の特長です。

これらのフォルムは、宇宙からやってきた未確認飛行物体のように見えたり、生命をたたえた甲殻類の仲間に見えたり。どこか“未知のいきもの”のような面持ちでもあります。一度でもこの照明を目にしたことのある人ならば(たとえ有名なブランドの照明器具だと知らずとも)、脳内に不思議なインパクトを残されることでしょう。

設計された優しい光と、永いおつき合いをはじめたい

「PHシリーズ」は、その洗練されたデザイン性の高さから、ビジュアルを優先して考案された照明器具だと捉えられている場合があるかもしれません。しかし、実際はまったく逆の発想で、機能面に焦点を絞り、設計されたものです。

設計したのは、「PHシリーズ」の名前にイニシアルを冠されているポール・ヘニングセン。数学的な発想を持ち、機能主義を提唱する人物で、もともと建築の分野に軸足を置いていたとか。彼が手がけた照明器具は、「光を設計する」という感覚で製作されています。

ポール・ヘニングセンがLouis Poulsenにおいてデザインをはじめた1920年代は、「光を設計する」という発想そのものが画期的なもので、現在の照明への考え方の基礎になったとも言われています。

最も特長的であるのは、どこから眺めても電球のフィラメントが見えないこと。私がショップ1Fより、吹き抜けの2Fフロアに吊り下げられた「PHシリーズ」を見上げても、フィラメントのまぶしい光に悩まされることはありません。

「対数螺旋」という独自のカーブを持ったシェードに当てられた光は、緻密に配した反射版の後押しを得て、とても柔らかで透明感のある光になり私たちを照らしてくれます。

私が、Louis Poulsenを好きになった大きな理由のひとつに「ずっと永く使えるもの」であることがあります。家具はファッションとはちょっと違う、というのが私たちの考え方。流行に左右されるものより、品質、機能、デザインのすべてにおいて、恒久的なものが好ましいと思えるのです。

照明器具やテーブル、チェストなど、お部屋の基本をつかさどるものは、まっとうな造りでスタンダードなテイストのものに。トレンド感のある雑貨などで、アクセントをつけたり気分転換をしたりすれば、「いいものと永くつき合う」というライフスタイルを実践できると考えています。

部屋の中に、「陽」と「陰」をつくれば、夜の時間が変わる

インテリアという視点から捉えると、照明器具は「部屋を明るく照らすため」のアイテムではなく、「空間を演出して雰囲気を生み出すため」のアイテムです。ですから、光の質も大切ですし、目にふれる照明器具自体のデザインも大切です。

設置する電球に白熱灯をおすすめしているのは、その暖かみのある色合いのためだけではありません。白熱灯と蛍光灯では、光の種類そのものが違うからです。

白熱灯は、遠くへ行くほど明るさが弱まる光です。
一方、蛍光灯は、照明器具から遠く離れた場所まで、一定の強さの光で照らすという特長があります。部屋の隅々まで均一に明るく照らしてしまうので、ゆったりとくつろぐ夜の時間には不向きであると思われます。

もちろん蛍光灯が向いている空間はあるでしょう。しかし、お家でスローダウン&リラックスしたいならば、ぜひ「陰」を生み出し、雰囲気をつくってくれる白熱灯を。また、「陽」と「陰」をより堪能するために、時にはキャンドルの光だけで食事をしたり、入浴したりするのも楽しいものですよ。

美しい光と陰、そしてシェードデザインはOro-Gioでも

Louis Poulsenの「PHシリーズ」には、さまざまな種類があります。1958年に誕生したスタンダードな「PH5」、その50周年記念モデル「PH50」、コンパクトな「PH2/1」などです。

ちなみに私が今、いちばん気になるのは「PH Snowball」です。このモデルは、サイズもデザインも、一般家庭のダイニングから飲食店やショップなど、あらゆる空間に落とし込みやすいという定説を持っています。しかし私自身、「PH Snowball」への思い入れが、人一倍強いからでしょうか。「PH Snowball」の魅力をより引き出せる空間とのマッチングには、いつも思い悩んでしまうのです。

悩みながらも考え抜いた「PH Snowball」の照明プランが、お客様のお好みや設置される空間とぴったりはまる瞬間。それが今の私にとって大きな喜びのひとつであります。
(「PH Snowball」は以下の画像左のモデル)

Louis Poulsenの「PHシリーズ」。その美しい光と陰、そしてシェードデザインはOro-Gioでもご覧にいただけます。Oro-Gioに行かれた際は、時計とともに照明の素晴らしさもぜひチェックしてみてください(以下の画像はOro-Gio店内にて撮影されたものです)。

「NEST」のショップマネージャーを務める、中村将之さん。
一軒家に暮らしながら、住まいに少しずつ手をいれ、自分だけの空間を作っていくことがライフワークになっている。趣味は映画鑑賞。インテリア的な視点で選んだ、好きな映画は「グランド・プダペスト・ホテル」。監督の美術センスには驚かされるばかり。

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住所:福岡市中央区薬院2-13-27 NEST Bldg 1F
電話:092-722-5550
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